セツナレンサ

対話のあるせいかつ

ミーハーだから動いてる哲学者を見る

 

 

木曜日

茶店が好きでよく行く。昔からの綺麗とは言えない喫茶店ならなおさらいい。

100%の確率で競馬新聞を持った人がいる。良い。

オムカレーのセットで味噌汁が出てきた。周りを見渡しても味噌汁だらけ。パフェを頼んだ子供のところにはなかったけど、みんな味噌汁とセットらしい。

ナポリタンと味噌汁、ハンバーグと味噌汁、オムライスと味噌汁

見渡す限り洋食+味噌汁だったけど、あの店には味噌汁が本領を発揮するメニューは果たしてあったのだろうか。あったとして、和食が食べたくて喫茶店に入る人はどのくらいいるのだろうか。

二日酔いの連れがありがたく飲んでた。味噌汁の本領発揮だ、と思いながら見ていた。

オムカレーもおいしかった。

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金曜日

尖った雲を見て、写真を撮って、消した。

わあと思ったけど見せる人もいなくて、この写真が消えたらこの雲も消えてしまいそうだと思ったけど消した。

なぜ人は食べ物の写真を撮るの?と聞かれたことがあるけど、なんでなんだろう。

彼女の唱えていた説は「後から見返して家で作るため」だったけど多分違う。彼女自身は撮って彼氏に送ったら消すらしいけど、多分それが正解。

 

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おそらく私は、これから口の中からお腹へと吸い込まれて消える、その前に、保存したくなるのかもしれないなと思う。

存在していた事実がなくなるのは怖い。

世界を保存したい、どうにかして止めたい、居なくならないで欲しい。

私が日記を書いている理由と同じだなぁ

 

月曜日

雨、ずっと雨。

可愛い子ばかりの大学で髪の毛がふやけているのは私だけ。

4階分の階段を登って席につくと更にふやける。

みんなどうして雨なのにあんなにテロテロな髪の毛のままなのか。雨なのにみんなの髪がふやけてないのはどうしてですか?って授業のリアペに書いたら紹介されたけど、全員に無視されたので未だ謎のまま。

“カリスマ性とはなにか?” を考える

 

水曜日

鯛焼

漢字で書かないでほしい。

 

木曜日

どうやって帰ってきたかも覚えていない。

お酒は飲んでいないし、連れてこられたわけでもない。

身体が、特に足が鉄みたいにおもたくて引きずる。水に沈めた鉄は底がなければ無限に沈んでいくし、わたしの足もいまヒンヤリとした感触と共にゴボゴボとベッドに沈み続けてる。

息を吐く度に胸のあたりがおもたく沈んでいく。背中の方はもうベッドにとけだしてしまっている気持ちがして、触るとヌメっとした感触がしてしまう気がする。

唯一動く腕でスマートフォンをスクロールするけど、見えているだけで理解はできない。

もう翌朝の方が近い。すぐ起きなきゃいけない。目まぐるしい生活、せいかつ。

 

金曜日

駅に降りると、金色が気になって視線を向ける。キラキラ眩しくてよく見る。ハイボールだ、ハイボールの缶だ、と認知しかけて腕時計を見ると針は11:45を指している、「まだ昼前だよな」と認知を疑ってもういちど金色を見る、よーく見る。ハイボールだ、ハイボールの缶だ、それを片手に友達と話してるおじさんがいる。

認識が正しいことを理解すると、途端に口の中にギンギンに冷えた炭酸の感触が広がった。つめたいしゅわしゅわの鮮烈さに心を奪われる。

あまりにも目をひん剥いてハイボールを凝視していたからか、ハイボールとバチッと目が合い、知らないフリをする。

お昼前から駅前でハイボール片手に語り合う人、どう考えても最高。何をやってもいいのだ!私の人生、昼間にビールを飲んでも、朝まで起きてても、逆に21時に寝て5時に海へ車を走らせてもイイのだ。もはややったもん勝ち。

自分でお金を稼ぐようになって、背徳感は脳汁がめっちゃめちゃに出ることを実感し、大量にやってしまう。

深夜のアイスは定番だけど、1日に2つアイスを食べてみたり、ポテチを自分で買ってみたり…とにかくお菓子が「買ってもらう」ものから「買うもの」になってから自由を感じるようになった。

茶店も「連れていかれる」場所から「自分で行く」場所になってから、私はあまりにも自由だ。

来週の対話のテーマを「自由」にしたから、これについて話してみよう。

“自分の人生を生きるってなに?”、“好きなように生きるってなに?”、について考える

 

「寺のカーテンは不自然だし、カーテンよりは“かあてん”だな」と思う

 

土曜日

ミーハーだから動いてる哲学者を見るのが好き、と哲学の先生が言っていた。

動いてる哲学者を見ることがミーハーとされるニッチな世界にいるんだな……たまらなく面白いな…。

おれミーハーだからさ、からはじまる話は大体「ああミーハーだね」って思うけどこれはさすがに、それはミーハーじゃないだろ!と言いたくなる。

“ミーハーってなに?” というか、“動いてる哲学者を見るのがミーハーな世界ってなに?”