セツナレンサ

対話のあるせいかつ

先生より背が高くてごめんなさい

 

吸い込む秋

朝7時、まだ寝てないし家にもついてない。

肺いっぱいに秋を吸い込む。

近しい人が結核になった。

めいいっぱい息を吸い込むと咳き込むのだろうか。幸せの秋を、好き放題吸い込むことができないのだろうか。

そもそも隔離され、今春なのか夏なのか秋なのかも分からないのだろうか。

上を見ると青々とした葉が木にしがみついているのに、俯くと黄色や赤の葉がたくさん落ちている。

俯いて帰る。

 

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先生より背が高くてごめんなさい

大好きな人の授業を聴講しに行く。1年生のゼミ。

しれっとまざって自己紹介するけど4年生だといえず、ルームフレグランスにハマってる話で誤魔化した。

しかし年齢不詳というのは相手に不安を与えるらしく、グループワークで一緒になった人には必ず「何年生なんですか?」と聞かれた。私たちは相手の立場が分からないと自分が定まらず居心地が悪くなる。

授業終わりに先生と2人で歩く。階段が折り返されるたびに、外側を回ってくる私を足を緩めて待ってくれる。申し訳なくて、嬉しくて、そこに居ていいのか分からなくなる。

先生より背が随分高くてごめんなさい。

先生はみんな、私より背が高い記憶。態度もそう。

 

ほうれん草のクリームパスタ

「緑って概念になりたい」って言われたから

例えばどんなものなの?、と聞くと

「ほうれん草のクリームパスタとか」

と言われたので、

「ほうれん草のクリームパスタ、好きなんだ」

と言うと、

カルボナーラがすき」

と言われた。

対話むずい。

この話をLINEで知り合いにすると、「好きとなりたいは別だよね」と言われる。

角度が付くだけで問いが生まれる、物事の解像度が上がる。

ちなみに私はパスタならボンゴレビアンコになりたい。何の話。

 

 

また4時。最近は忙しいことが仇となって、かえって思考が途切れず、寝るタイミングを逃し続けてる。

暗闇とスマホ、この世がヒタヒタと光るスマホの画面しか無いみたい。

 

 

“ここにいても大丈夫”と思える場

今期も哲学対話の授業で私の哲学カフェの宣伝をさせてもらう。

「ずうずうしく皆さんの時間を奪ってすみません」

と言いながら「宣伝します」と宣言する傲慢っぷり。

私の開く対話は『“ここにいても大丈夫”と思える場』をモヤモヤと作る場所。

私たちはいつも答えを急ぐし、急がされる。ずっと誰かと話してるようで、自分の話を本気できいてくれる場所はない。自分のことをわかってくれる人なんてほんのひと握りか、ゼロだ。

そんな社会のなかで1歩1歩立ち止まり、みんなで確認しながら歩いたり、逆戻りする場所があってもいい。

「大学に居場所がない人にも来て欲しい」

この言葉が何人に届いただろうか。

届く人に届けばいい。

私は大学に居場所がなくて便所飯をしていたこともあったし、喫煙所に居場所を求めて嫌いなタバコを買ったこともあったなぁ。

帰りに1人声をかけてくれた。わたしの何が届いたのか分からないけど、何かが届いて嬉しい。

 

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知らぬ間に足元にあるマスク

朝起きたとき 「爽やかだ」 と思うのに何故か39.0℃を示す体温計と、知らぬ間に足元にあるマスク。きみはどうしていつもどこかにいってしまうの?

風邪を拗らせ肺炎になってしまい息をする度ゴロゴロと胸がなり痛む。吸い込む度に咳き込むので腹筋はバキバキだ。

水は一度にたくさん飲むと全て吐き出してしまうので大さじ1杯ずつ時間をかけて飲んだ。

熱に強い私は40℃でもうどんを1人前食べれるし、お風呂にも入れる。でも体温と水温が同じでぱたぱたと何かが当たる感覚がするだけ。

熱よりもバイトを休む連絡をする方がよっぽど苦しい。

声が1ミリもでないのでスルスルと画面をなぞりながらLINEで休みの連絡をすると、

「大丈夫かい?しんどいだろうけどお大事にね。シフトの変更の件わかりました。」

と来て、拍子抜けする。

体調不良はわたしのせいなのか、それとも仕方ないのか、怒られるものなのか、怒ってはいけないものなのか、ここ数年みんなモヤモヤ考えてる気がする。

今回の体調不良は長引いてしまいマスクが足元にある朝を4回も迎えた。さすがにバイト先に頭を深く下げるべきという気持ちになる。